恒温室が無い環境では常温以上の測定が困難であった。熱平衡対策を行うことで常温でも50〜60℃の高い温度での正確な表面張力測定が可能になった。ガラスセル、シリンジ、センサ等の殆どの部品は従来のまま使用できる。架台の天板などの恒温水槽外の空気中に直接暴露している部分を余熱用空気恒温槽で恒温水槽と同じ温度に制御する事で実現した。ガラスセルの固定部はは熱伝導対策した部品と交換する必要がある。改良後は温度平衡時間も著しく短縮され20〜60℃の範囲なら20〜30分の平衡時間になる。滴下間隔も1分程度で充分であり測定時間が相当短縮された。高い温度でも概ね60分以内と考えて良い。熱平衡対策の検討からガラスセル内メタルセルの温度勾配が存在する事が分かった。温度勾配を無くすことで測定時間の短縮と高精度測定が可能になった。適切なシリンジを選択すれば純水で0.05dyn以下の誤差を望める。
滴容法による表面張力測定にはガラス製ツベル型シリンジにキャピラリを溶接して使用していた。一般的なガラスシリンジの利用が高度の熟練測定技術を必要とした原因。滴容法専用シリンジを新たに開発し再現性を著しく向上した。外筒とキャピラリは一体成形品にした。強度も向上し超音波洗浄器で全体を洗浄しても破損しない。
精密シリンジキャピラリ研磨装置により数秒で最良のキャピラリ先端を得られる。垂直固定器と研磨機の組み合わせにより熟練を必要としない研磨が可能。滴容法で表面張力を測定する場合には付属機器としてキャピラリ研磨機は不可欠と言える。キャピラリ研磨状態の確認には照明付きの実体顕微鏡が適当。拡大倍率は20〜50倍程度が適当。先端に肉眼では確認し難いクラックが存在しても結果に影響する。
精密シリンジキャピラリ研磨装置により数秒で最良のキャピラリ先端を得られる。垂直固定器と研磨機の組み合わせにより熟練を必要としない研磨が可能。滴容法で表面張力を測定する場合には付属機器としてキャピラリ研磨機は不可欠と言える。キャピラリ研磨状態の確認には照明付きの実体顕微鏡が適当。拡大倍率は20〜50倍程度が適当。先端に肉眼では確認し難いクラックが存在しても結果に影響する。